「めっちゃ怒られたね。」
「練習してたっつーの!」
「ムカつくー」
「あんなに怒ることないじゃん!」
「もう私辞める!」
「私も行かな~い」
「やってらんないよ。」
帰り道、みんなの不満も爆発した。
確かにあまりにも地道で地味な練習に辟易して、練習中のおしゃべりも多くなっていたかもしれなかった。
スケールの練習に疲れて他のメロディーラインばかりやってる人もいたかも。
だけど。たまったストレスは一方的に怒られた事によって、先輩への怒りと文句にぶつけられた。
私だってショックだ。
「楓、大丈夫?」
沈黙する私に茜がそっと声をかけてくれる。
「楓には悪いけど、今日のはダメだわ。マジでムカついた。」
そう言ったのは負けん気の強い性格の子で。
たぶんみんな私が部長と日記をしていることを知ってて今まで気を遣ってたんだ。
「楓、いきなりトップバッターだったもんね。」
「そうだよ。あの時びっくりした。普通最初は1年からしないでしょ。楓もびっくりしたんじゃない?」
「うん、まあ…。」
微妙な立場で何も言えない。
聡美先輩は嫌いじゃない。でも仲間も大事で。不満や苦しみもよくわかる。
それに、正直練習してないような言われようは悲しかった。
先輩、がっかりしたんだろうな~。
期待に応えられない自分にも悲しくなる。



