吹いて奏でて楽しみましょう



「もう何週間経つと思ってんの?」

先輩の怒りの声が飛ぶ。


顧問のいない合奏の時間。

未だにスケールをこなせない木管に対してその怒りは向けられた。


静まり返る室内。


「楓ちゃん、今のところやってみて。」


えー!?名指し!?
!?しかもなぜいきなり私!?


「…はい(震)」


調子の良いときで4回に1回成功するかしないか。


直前練習なしのぶっつけ本番で成功する確率は…かなり低い。


 ええい!ままよ!(泣)


~♪、…


間違えた。見事に。小さくなる。


「…すみませんでした。」

少しの沈黙。


「…次、香奈恵。」


香奈恵先輩もあともう少しで間違えてしまった。


ピリピリとした緊張感。一人ずつというのもそれを煽る。


何名か名指しされ、ほとんどの人が失敗した。



「なんで出来ないわけ!!?ちゃんと真面目に練習してるの!?喋ってる暇があったら練習しなさいよ!!他のところばかり練習して、出来てないところからやるのが当然でしょ!!」


雷が落ちました。



 ヤバいよ。もう泣きそう。


なんで出来ないのかこっちが知りたい。


こんなの全然楽しくない。


恐さと情けなさと、よくわからない気持ちは膨らんで…