それから2週間、毎日毎日、スケールの練習。
いい加減飽きた。
スケールはメロディーではない。あくまで飾りみたいなもの。
味も素っ気もない。
というのは言い過ぎだが、さすがに個人練習でこればかりやるのはキツい。
最初は先輩のアドバイスでゆっくり吹いてだんだんと早くしていった。
結果、10回に1度ぐらい稀に成功するようになった。
努力とはすごい。
しかし、
「あっ、あ~また間違えた~くそぅ。」
かなりイライラする。
「もぅいや。私他の場所練習する!」
琴子も珍しく切れそうである。
とはいえ、他のメロディーラインも一応大事ではあり、気分転換には丁度いい。
「げっ!なんか最初のスケールも怪しくなってきた。」
あちこちから、木管楽器のスケールミスの音が飛び交う。
みんなも苦労しているらしい。
後輩はOBの先輩や3年の先輩にバチと譜面台、楽譜を持って、自ら指導をお願いしに行かないといけない。
これもまた緊張するが、まったくやらないとミーティングで怒られる。
「ここの6連符はちゃんと1拍に収めてね。」
「はい。」
「じゃもう一度。」
「ここと、さっき言った場所、ちゃんと練習してね。」
「はい。ありがとうございました。」
そんな具合で日にちは経ち、合奏の日になった。



