「お~い、シュン~。聞いてるのかよぉ~?」

気がつけば、レイジの顔が僕をのぞき込んでいた。

「えっ?あ、うん、聞いて・・・なかった、ごめん。」

「なんだよぉ~。中二なのにもうボケてんのかぁ~?」

「かもしれない。でも全然大丈夫。そのときはレイジに面倒見てもらうから。」

下駄箱で靴を履き替えながら。

「冗談じゃねぇ~。誰がお前の面倒なんか見るかっ!」

「冷たいなぁ。」

「そうそう俺って冷たいの!お前が絶世の美女なら考えてやらないこともないけどねぇ~。」


絶世の美女、か。

美女どころか、僕は男。

レイジにとっては、恋愛対象どころか。

友達以外のなにものでもない。