「あたし、ナナの笑顔なんて久々に見たかも。やっぱり恋の力って偉大だよねー。」

ユリがからかうように言う。

「ちょっと、ユリ!」

ナナが頬を染めて、恥ずかしそうにうつむいた。


「ほら!そろそろ行くよ。」

ユリが声をかけて。

ナナはうなずくと。

「シュンくん、さようなら、本当にありがとう。」

もう一度僕に、お礼を言ってから、歩き出した。


「またどっかでね!」

ユリが手を振る。


「うん。また。」

僕は二人に向かって、力いっぱい手を振った。