「あたし達、転校することにしたんだ。」

ユリは公園へと向かいながら、そう口にした。

「えっ?転校?」

僕が問い直すと。

「うん、うちの両親にね、全部話したの。あっ・・・、そのなんていうか、あたしがナナのことが好きだってこと以外の全部ね。」

「そっか。」

僕が応える。

「うん。そしたらうちの両親ね。ナナのお父さんと話し合う機会を持ってくれて・・・。それで、その話し合いの結果、しばらくうちでナナのことを預かることになったの。」

「良かった。いいご両親だね。」

「うん。なんだか見直しちゃった。」

そう言ってユリは、嬉しそうな恥ずかしそうな顔で微笑んだ。