・・・沈黙が流れる。


僕はそれを押し破るように。

「でもどうして・・・?どうしてナナちゃんは、そんなことを許して?」

「お母さんの最後のお願いの言葉よ・・・。『お母さんの代わりとして、お父さんのことをよろしくね』っていう。」

ユリは悔しそうに、呟いた。

「そんな、そんなことって、酷いよ!お母さんはそういう意味で・・・。」

僕の言葉をさえぎって、ユリが叫んだ。

「分かってる!あたしにだって分かってるよ!ナナのお母さんがそんな意味で、その言葉を残したんじゃないってことくらい。でもナナは、そうは思ってない。自分のせいでお母さんが死んだと思ってるから。だから、だから、ナナは今まで、実の父親に自分の身体を・・・。」

ユリの瞳から、大粒の涙がポロポロと零れ落ちた。