ユリの言葉に、僕は激しく動揺した。

たぶん誰の目から見ても、分かるくらいの慌てぶりだったと思う。


「やっぱりね。」

ユリはレイジとナナが乗った観覧車を見上げたまま。

一人納得をしている。

「そ、そんな訳ないよ。僕は男だし。レイジも男だよ?」

僕はユリのそんな横顔を見ながら、精一杯の否定を試みた。

「男が男に恋しちゃまずいの?女が女を愛しちゃいけないって法律でもあるの?」

ユリは僕のほうを向くと、真剣な顔で僕に尋ねる。

「それは・・・、それはないけど・・・。」

「どこにいたって、あれだけレイジくんのことを目で追ってれば、だいたいは分かるよ。特に、あたしみたいなのには、ね。」

ユリはそう言って、再び観覧車を見上げてから呟いた。

「あたしも、シュンくんと同類だから。」

「えっ?」

僕は思わず声を出していた。