レイジとナナが、観覧車の中に消えて行ってから。

僕達二人は。

なんとなく無言で、それを見つめていた。


レイジが好きになった相手と二人きりで。

なにを話せばいいのか、僕にはよく分からなかった。


しばらくすると、レイジとナナの二人が乗った観覧車が。

僕達が座っているベンチからも見え始めた。

ふたりは楽しそうに、笑顔で僕達を見下ろしては、手を振っている。

僕達二人も、手を振り返す。


そして観覧車が、ちょうど真上に達したときに。

ユリが突然、口を開いた。

「間違ってたら、ごめん。シュンくん、ひょっとして、レイジくんのことが好きなんじゃない?」