「私、観覧車に乗りたいな・・・。」

ナナがポソッと呟いた。

「ほら、ナナもそう言ってるし、レイジくんお願い、二人で行って来て。」

ユリが言う。

レイジは残念そうな顔で、ユリを見ると。

「分かった分かった!ナナちゃん行こうぜっ!」

そう言って、観覧車の受付のほうに向かって歩き出した。

ナナもその後に続く。


「レイジくん!ナナに変なちょっかいだしたら、許さないからね!」

ユリが大きな声で、ベンチから叫んだ。

レイジは赤くなって振り返ると。

「するかっ!そんなこと!」

そんなレイジを見て、ナナがクスクスと笑う。

僕もつい、微笑んでしまう。