赤いサンタ.黒いサンタ

翔「気まぐれって…、そんな…。」



翔は怒りよりも、脱力感でいっぱいになった。



赤「すまないが…、事実として受け止めて欲しい…。」



赤いサンタは翔の肩から手を離し、立ち上がった…。



赤「私は赤いサンタクロース…、君に希望を与えるよ。」



翔「希望って…、お父さん達を生き返す事は出来ないんでしょ…?」



赤「それは君次第だ…。」



翔は顔を上げ、赤いサンタの目を見て聞いた。



翔「僕次第?どういう事?」



赤「サンタにも色々ルールがあるんだ、それは部外者である君には説明出来ないけど…。

いいかい?私も弟もサンタクロースだ、サンタクロースはクリスマスにしか現れる事は出来ない。」



翔は赤いサンタの言葉を必死に聞いている…。



赤「私らはそれぞれ目的を達成しなければならない、具体的に言うと、私は自分で決めた子供達に幸せを与え、弟も同様に決めた子供達を不幸にする…。」



翔「…その話…何か関係あるの?」



赤「君が今日…、クリスマスが終わるまで生きる事が出来たなら、全てが元に戻るはずだ。

これはサンタのルールでもあるからね。」



赤いサンタはにっこりと翔に微笑みかけた。