赤いサンタ.黒いサンタ

赤いサンタクロースは必死に頼む翔の姿を直視出来なかった…。



翔は涙ながらに尚も頼んでいる…。



翔「僕…は、みんなが大好きなんだ…、お願いします…。

僕から…、奪わないで…。」



赤いサンタクロースは翔の前で膝をつき、話した…。



赤「本当にごめん…、私にはどうする事も出来ないんだ…。」



翔「どう…して?今日はクリスマスなんでしょ!?サンタさんは何でも出来るんじゃないの!!??」



赤「サンタクロースは…神様じゃない…。子供達にささやかな幸せを与える事しか…。」



翔「僕はささやかな幸せなんていらない!!!一生分の幸せを上げるから!!お願い!!!」



翔は大声で再び赤いサンタクロースに頭を下げた…。



赤いサンタクロースは何も答えない…。



翔「ダメ…なの?」






翔「本当に…ダメなの?」







翔「う…っ…うああああああああぁぁぁ!!!」







翔「お父さん!!!お母さん!!!美代ちゃん!!!」



翔「いや…だぁ……う…うあああああああぁぁぁ!!!」





翔の…涙が交じった悲しい叫び声が…、どこまでも届いていった…。