天使と呼ばれたその声を


時刻は夜の10時を回っていて、それでも家に帰れない私はただ繁華街の閉まったシャッターの前に膝を抱えて座っていた。
道行く人から見たら、プチ家出的な感じで見ているのだろう。

もしくは、誰かが声をかけてくれるのを待っているウリをしているどうしようもない奴だって思ってるのかもしれない。


もう少しで私とソラは誕生日を迎える。本当ならキョウとお昼頃にソラのプレゼントを見て回る予定だったのに。結局、何も思い浮かばなかった。

ソラに助けてもらってばかりの私は一体何を返せるのだろうかって考えて…考えたけど、もう営業している店なんかないのが現実だ。

キョウとは気まずいけど、せめて「お誕生日おめでとう」って伝えたかった。言葉だけだけど、本当に“せめて”ありったけの気持ちを伝えたい。


重い足取りで、ソラとキョウがいる店に向かう。店のすぐ目の前まで行くと、直ぐに私は違和感を感じた。

……明かりが点いていない。