キョウの叫ぶ声は耳にではなく心に突き刺さった。痛くて、痛くて…いっその事ナイフでえぐって心ってものを身体の中から取り出したい位だった。
ソラを大事にするキョウ。
ソラを想うキョウ。
ソラを愛しい瞳で見つめるキョウ。
全部羨ましかった。醜い嫉妬心で支配される私の行き着く場所はドコにあるのだろうか。誰かが教えてくれないのであれば、自分で探さなきゃいけないってのは分かっているけど、あがいて、もがいて、それでも見つけられない時…どうすればいいのだろうか。
全力で疾走した繁華街を抜けて見慣れたアパートのが立ち並ぶ場所まで着くと、やっと速度を下げて歩く事が出来た。チカチカと点滅する街灯の光はその存在の意味さえも失いかけている。そう、私みたいに。
出来ればこの時間には帰りたくなかった。だから、送ってもらわなくて正解だった。
……私の誰にも知られたくない。触れられたくない絶対領域がココにある。
