アーケード街に入ると、沢山の店が立ち並び、そして人の波に襲われた。キョウとの距離が広がっていく。きっと、私の人生はこんな感じなんだって思った。人の波に逆らわずに、ただ、流されて、飲み込まれて、消えていく泡みたいな存在なんだって思えた。
その時。
グッと掴まれた腕に視線を移すと、大きな手が目に入った。
「離れんじゃねーぞ」
キョウが人の波に飲み込まれていた私を自分の身体に引き寄せてくれたのだ。憧れていた…触れたかった手が…触れている。
キョウは何も言わずに手を握ってくれて、一歩後ろを歩く私に人がぶつからないように道を作ってくれていた。
キョウの手は火傷しそうな位熱い手で、いっその事、このまま火傷して痕に残ればイイって思う。こんな事を思ってしまう私はきっとどうかしてる。
