ん? エレベーター!? 「ちょちょちょ、山城君どこ行くんですか!!」 思わず呼び止めに彼の腕を掴んでしまう。 「なんだよ、離せよ。」 ぎろりと冷たい視線が私に刺さる。 「成仏しちゃうんですか!?」 「そうだよ」 「なんで!!」 「お前に関係ねぇだろ」 「折角お向かいさんになれたのに!!」 「だから何。お前はまだわかんねぇんだよ。幽霊として生身の人間の世界に行った奴の気持ちが。」 私は何も言い返せなかった。