「先生ーっ!!!!」


私は勢いよく英語教科室の扉を開ける。


「…何しにきたんだよ」


先生は机の上に広げた生徒達の解答用紙から目も離さずに露骨に嫌そうな顔をする。右手はひたすら採点を進める。


んもう彼女が来てあげたっていうのに、照れちゃってさ!!


「あのな、お前が心の声だと思ってるの全部聞こえてるから。俺は照れてないし、今忙しいし、腹減ってイライラしてるし、トータルすると…お前に対する気持ちは『出てけ』、だ。」


「ひっどい!!毎日早起きしてお弁当まで作ってんのに、何その 態 度 !!!」


「お前の態度は生徒が先生に対してとる態度じゃないだろ。」


「私先生の生徒じゃないもん、彼女だもん!!」


「声でかい!!いいから扉閉めろばか!!!」

先生は声を小さいままに私を怒鳴る。私もそれで我に返り、急いで扉を閉めた。もちろん鍵だってしっかりかけた。