あの日から・・・

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「・・・ッ美。由美・由美!!おい、返事しろよ。」

私はうっすら目を開けた。そこには涙目になった健がいた。

「健?・・・」

「そうだよ、オレだよ。心配させんなよ。」

ほんとに健だ・・・良かった。でもなんで健が泣いてるの??

すごく悲しそうな健の顔。こっちまで悲しくなってくる。

気がつくと、ここは健の家だった。

私はベットの上に寝ていて、服がそのままだったことから

男たちに連れていかれそうになったことを現実だったと確信した。

「健、どうして私を?」

私がここにいるということは、健は私を助けてくれたんだ。

けど、私は健とはあの前に別れたはず・・・

健は、深呼吸して私の横に座った。

シャンプーのにおいだろうか。甘い香りがした。

「なんかお前と別れたあと、いやな予感がして・・・おっかけてきたんだ。

そしたら・・・」

目の前に用意されていたジュースを飲んで健が答えた。

そういえば健には友達がいたはず・・・

「友達はどうしたの?」

私の質問に驚いたのか、目を丸くして少しほほえんだ。

「バーカ。友達は断っといたから大丈夫。それより自分の心配しろよ。

お腹蹴られたんだろ?大丈夫か??」

そういえば、男の仲間に蹴られたんだ。まだ触ってみるとズキズキする。

「送ってくよ。」

「大丈夫、大丈夫。こんくらい、ありがとね。私帰るね。」

そういって立ち上がろうとした時、お腹に痛みが走って、立てなかった。

「やっぱ送ってく。」

そういった健に私はうなずくことしかできなかった。

自分が、いやになるなぁ・・・どうしてこうなんだろう。

そうおもってると、目の前に大きな背中があった。

「そんなんじゃ、歩けねぇだろ。おんぶしてやるから・・・」

「えっ。でも・・・」

わたしがとまどってしまった。恥ずかしいよ。重いし・・・

「いいから、早く!!」