-放課後-

「由美ー。一緒帰ろう。」

私のところに明日香がかけよってきた。

「うん!いいよ。」

「あっ、静香も一緒だから。」

明日香の後ろに隠れていた静香がちょこんと顔を出した。

すごーく仲良くなってんの。明日香ってスゴッ!!

「うん!いいよ。」

私がそういうと静香は嬉しそうに笑った。

帰り3人でしゃべりながら歩いていると静香がぎここちなく聞いてきた。

「由美ちゃんって・・・どこに住んで・・るの?」

「あっ、私は〇〇区のマンションだよ。」

「へぇ~そうなんだ。うちは××区の二階建ての家なんだ。」

「そっか!てゆうか由美でいいし☆」

なんとなく由美ちゃんって言われるとこっちまで気を使っちゃう・・・

「わかった。由美ね!」

「ねぇ~明日香も入れてよー。」

「あっごめん。完ぺきに忘れてた」

「ひど~い。由美のバーカ。」

「ごめんって。」

けど、ほんとに明日香のことを忘れるくらい静香との会話は楽しかった。

私たちきっと、あんな事がなければ大切な心友になれたよね・・・

次の日、3人は私の席で恋バナをしてもりあがっていた。

あいかわらず、私は明日香と一緒。

静香は前のグループをぬけて私たちと一緒に過ごしていた。

「・・・ッ美。由美!!ねぇったら!!」

私が考え事をしてるうちに恋バナが進んでいた。

「あっごめん!ボーっとしてた。」

「ボーっとしてたじゃないでしょうが。」

明日香のパンチがほっぺを直撃した。

私が痛がってると、静香がなんの心配なく

「由美って好きな人いるの??」

興味津々にたずねてきた。

私は「そこ心配するでしょっ。」ってツッコミたかったけど

静香が今すぐ言って!!って顔をしてたからやめた。

私は静香に言おうとしたけど明日香が・・・

「いるよね~!明日香知ってるよ。3年間も告白してないもんね。」

明日香に言われちゃった・・・私が言いたかったのに。

でも、明日香の言うとおり。私には片想いをしている人がいた。

高橋健。小学校は4年間一緒のクラスだった。

たまに見せる照れた笑顔が大好きだった。失いたくなくて告らないでいたんだ。