あの日から・・・

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「由美~!!早く起きなさい。」

お母さんの声で目が覚めた。まだ眠い目をこすって周りを見ると

自分の部屋だった。

あれっ。私昨日…そうだ!!健に送ってきてもらったんだ。

でも、健におんぶしてもらってからの記憶がない。

寝ちゃったんだ、私、健に悪いことしたなぁ・・・

とりあえずお礼言わないと!!

そうおもいながら、スウェットをぬいで、部屋着に着替えて、リビングにいった。

「由美。今日もお母さん仕事だから、もういくね!!

あとお兄ちゃんは今日休みだから、部屋にいるから。」

あわただしく、お母さんが支度している。

「うん、わかった。いってらっしゃい。」

お母さんお言葉を受け流しながら、玄関で見送った。

お腹がすいた・・・そういえば昨日は何も食べてなかった。

「何食べよっかな。」

冷蔵庫の中はほとんど何もない。幸いにジャムがあったから安心した。

電子レンジでパンを焼いて食べた。

「あっ、健に電話!!」

すっかりお腹がすいていたせいで、健のことを忘れていた。

自分の部屋にあるけいたいをとりにいった。

アドレス帳を開いて、健の名前を探す。

さすがに、好きな人だから緊張するけど、お礼はしないといけない。

コールを鳴らす。出るかな・・・部活・・・だったら出ないよね。

プルルルルルッ・・・プルル・・・カチャッ

「もしもし??」

「あっ、昨日はありがとね。昨日大変だったでしょ??

ごめんね・・・うち寝ちゃって。」

とりあえず、お礼いえて良かった。

「あははっっ、そんなこといいよ!!まぁ、大変だったけど、

お前の寝顔見れたしっ。」

えっ?

「ねぇ、それってどういう意味??」

「良いほうの意味。」

そんなこと言われたら、顔赤くなるじゃん。電話でよかったよ。

「あっ、けど・・・」

「健、何??」

「かんじがいすんなよ。別にお前のこと、どうも思ってねぇからな。」

その言葉をきいて、ちょっとがっかりした。