恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

真田さんの言うことも分かる。それだけに言い返す言葉が見つからない。

「お待たせしました」

……と、そこへウエイターさんがやってきて、真田さんの前に“豚のしょうが焼き定食”を、そしてあたしの前に“チーズハンバーグ”を置くと、「ごゆっくりどうぞ」とスマイルを見せて、さっさと向こうに行ってしまった。

「おっ、うまそう♪ さっ、彩輝クンも食べてくださいよ」

「………」

だけど、あたしの両手はテーブルの上に並べられたフォークとナイフのほうには伸びず、先ほど魔のくるぶしの侵略を免れた乙女の太ももの上に置かれたままだった。