あたしの声はフツーのトーンだった。さっきまでは怖くて悲鳴さえ上げられなかったけど、今はもうだいぶ落ち着いた感じ。
「僕もヒトですから」
その微笑みに悪びれた感じはない。
「もし選考の最後の、最後の、最後の段階になっても2つの作品……つまり彩輝クンの作品と、別の誰かの作品の甲乙がつけられないほど迷ったとしたら、そのときは……」
「やっぱり好きなヒトの作品のほうを選んでしまうということですか……?」と、途中で言葉をさえぎってあたしが訊くと、真田さんは「それがヒトというものですし、ごくごく普通の発想ですよ。フフフ…」と笑った。


