恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

……なんて声が背後から聞こえてくる。

だけど、ただひたすらに無視・むし・ムシ。

「す、すいません、待ってくださいっ…」

「まだ言うか?」って感じで、今度も無視・むし・ムシ。

「ん?!」

ふと、さっきとは声がちがうのに気がついた。自転車男より、年が上の感じの男のヒトの声だった。しゃべり方だってちがう。少なくともアイツよりは重みのある感じだ。

「あの、もしかして……大村……彩輝さんじゃありませんか?」

え!? どうしてあたしの名前……?