「“出る”って……さ、サキちゃん、まさか!?」
「アンタがレースに出場できなくなったのは全部あたしのせいだから……だから、あたし、替え玉になる。幸か不幸か胸はペチャンコだからオンナだとはバレないと思うし、それに毎朝の長距離通学で鍛えた足にも自信があるよ。いつもは悩みのタネの太い足だけど、せめて今日くらいは役に立ってもらうから」
「いくら足に自信があるったって……」
……と表情を曇らせるアイツの言葉をさえぎって、ひたする明るい声であたしが言う。
「分かってるよぅ~。でも、せめて完走だけでもできれば、アンタの……ついでのあたしの気だって少しは晴れると思うんだぁ~」


