恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon


モーレツにイラ立ち、そしてムカつく気持ちで自宅マンションまでたどりついたあたしは、自室に駆け込むなり、うっとおしいロングヘアーをハサミで切り落としはじめた。

ジョキジョキと切り続けるその手がようやく止まったのは、手でつかめないほど髪が短くなくなってしまったときのことだった。

“ふぅ~…”と大きなため息をついて部屋の明かりを点けると、足元に広がる切り落とされたロングヘアーの残骸を踏みしめながら、姿見のほうまで歩いていく。

覗きこんだ鏡の中には、部屋の明かりも点けず、鏡も見ずに切ったせいで、前後左右のバランスがめちゃくちゃのショートヘアーの、サイテーでサイアクのあたしがいた。