恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

カットくんへの想いを捨てた理由。それは彼がサクラだったからではなく、障害者だったからにほかならない。

どう自分を正当化しようと、障害者を差別してしまったのは事実だし、そんなあたしこそ、サイテーだし人間失格だと思う。

おまけにそんな自分にハラが立って、あろうことか八つ当たりで、パンクの修理をしてくれたアイツにお礼を言うどころかケータイパンチを食らわせて、あした大事なレースを控えてるっていうのにケガまでさせてしまった。

もうヤダ。自転車を走らせているうちに、カットくんにカットしてもらえなかったせいで、たなびきながら舞い上がるロングヘアーが何度もクチに入り、その度に気持ち悪い思いをしながらヨダレまみれの黒髪をクチの中から引き抜かなくちゃいけないのもヤダし。