恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

それだけ言うと、アイツがパンクを修理してくれた自転車にまたがるあたし。

「さ、サキちゃんっ……」

「クサイから近寄らないで!」

言い終わるか終わらないかのうちにスナップを利かせた右の裏拳を素早く振るうと、いともたやすくアイツの右頬にヒットした。

“必殺ケータイパンチ!”

非力な乙女のパンチとはいえ、その手の中に硬いケータイを握り締めて振るうとなれば、その威力はイッキに倍増する。

ましてや体の奥から沸き上がる怒りを一点集中させて、渾身のチカラで振るえば、その威力はさらに数倍に跳ね上がるというもの。