言われてますます涙が出た。 カラダが震えて、立っていられそうにない。 ……と、そのとき―― 大きな、圧倒的な、微動だにしないチカラが、突然、震えるあたしのカラダを包み込んだ。 「く、クサイっ……」 抱き締められたあたしは、アイツの筋肉質の胸板から漂ってくるニオイに顔をしかめる。 「一日じゅう町の中を走り回ってんだ。汗クセぇのは当然だ。けどな、サクラじゃねぇ……生きてる人間だから汗かくワケだし、サキちゃんだっていま涙を流してるだろ? それがリアルに存在している人間の証拠だ」