そう言ってチラリと腕時計を見る。秒針の進み方がヤケに早いように感じたのは錯覚?
コイツの世話になるのはイヤだったけど、時間もないことだし、ここは「コイツを利用してやれ!」と囁くもうひとりのあたしの声に従うことにした。
「早く言えよ。どこまで行けばいいんだ?」
コイツ、江戸っ子なのか、気が短い。
「もォ、待ってよ、今カットくんに美容院の場所を教えてもらうから。……ったく、数学の鎌田といい、アンタといい、これだからおしゃべりなオトコはイヤなんだよ……」などとブツブツ言いながら、ケータイから逢いナビにアクセス。


