恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

でも、今はとにかくどんなことをしても青山に到着することを考えなくちゃ、とひたすらペダルをこぎ続け、ようやく青山にたどり着いたそのときだった……、

「おいおい、自転車が悲鳴上げてんじゃねぇかよぉ。パンクしたまま乗ると、タイヤそのものがおしゃかになっちまうぞぉ」

……と不意に、若い男のヒトの呆れたような声が聞こえてきた。

「そんなの分かってる! でも急いで行かなくちゃいけないんだ!」

腹立ちまぎれにそう言いながら声のしたほうを見た瞬間、あたしも、そして競技用自転車に乗った若い男のヒトもまた「アッ!!」と同時に声を上げた。