恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

そう思ったあたしは、本当はいてもたってもいられない心境で、カッコなんて気にする余裕もなかったんだけど、制服マニア垂涎の聖女の制服を着たほうがいいだろうという計算のもと、制服姿で自宅をあとにした。

夕闇迫る街がやがて完全に暗くなるまでの間、わき目もふらずに自転車を走らせ続けたあたしは、とあるビルの前でキキィーッと急ブレーキをかけ、その場でメールを送信した。

『いま山葡萄出版の前にいます。会って話がしたいです』

無視されるかとも思ったけど約5分後、真田さんから返信メールが届いた。

『今、ちょっと手が離せません。すみませんがシャレードで30分くらい待ってもらえませんか?』