恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

11月ともなれば朝方はやはり相当の冷え込みがあり、服も着ず、髪も乾かさずに、一晩中ケータイに向かっていたせいで、クシャミと鼻水と熱がいっぺんに出てしまった。

今日も母さんは長距離トラックのハンドルを握って、日本のどこかを走っている。

ひとりぼっちのあたしは不安にかられた。

“もしかしたら新型インフルエンザにかかってしまったんじゃないか?”

“このまま誰にも見とられず、ひとり淋しい孤独死を迎えることになるんじゃないか?”

そんなふうに思いはしても、今のあたしにできるのは常備薬のかぜ薬を飲んで、ベッドで高熱にウンウンうなされることしかなかった。