「仇?なんのや。」





「家族だ・・・私の家族は六年前、長人に斬られて死んだ。でも私だけが生き残れてそれから六年親の仇を取るためだけに生きてきた。」





そう言って自分を嘲笑う。




「ほんま、俺にそっくりやわ。俺の親も辻斬りに斬られて死んだんや。まだ八つの俺を守るためにな・・・。目の前で親が斬られて気ぃが狂いそうやった・・・・。」






「俺の話は関係なかったな。それで?一体何があったんや。」





山崎はそう言って私の顔を伺う様に見る。





「・・・・が・・・」





「なんや?ちゃんと言うてみぃ。」






「吉田が・・・吉田がいたんだ・・・。二条大橋の所に・・・。」







それだけ言うと山崎の顔色が変わった。