紅い月

「・・・先に行っていろ。私は斉藤の様子を見てくる。」





「あっ?あぁ・・・」







私がそう言うと永倉は不思議そうな顔をしたが下で沖田の声が聞えたので階段を降りて行った。







「なんだ。お主は行かないのか?」






「あぁ、斉藤さん。」





後ろから声が聞え振り向くとそこには隣の部屋で眠っていた筈の斉藤が立っていた。







「お加減はいかがですか?」






「あぁ、もう平気だ。俺も下へ応援へ行く。」





斉藤はそう言うと部屋を出ようとする。





「まだいけません。よくなったばかりなのですから部屋にいてください。」