「おめぇ何者だ。」






「まずは自分から名乗れと教わらなかったか。」







私はそう言って前の男を睨み付ける。






「そうだぞっトシ。まずはお前が名乗らねばっ!!」







いきなり後ろからそんな声がして私は振り返った。







そこにいたのは角張った面もちのなんとも威厳のある一人の男だった。








「近藤さん、来たのか。」






「あぁ、山崎くんが知らせてくれてな。」







『近藤』と呼ばれた男はそう言って私の脇を通り『トシ』と呼ばれた男の隣にどさっと腰を下ろした。