翌朝、日が昇ると同時に凛と山崎は江戸行きの船に乗り込んだ。




船は全部で二双。最初の船には重傷者と局長・副長次の船には軽症者や他の者達が乗る事になった。





「ススム、大丈夫か?」




凛は昨夜から山崎の傍を一度も離れず、看病を続けた。その証拠に目の下には薄っすらとクマができている。




「凛・・・だい・・・じょうぶやから・・・」





山崎は苦しげにそう言うと弱弱しい手で凛の手を少し握ると船へ乗り込んで行った。





「ゴホッ・・・ゴホッ・・・はーはー・・・」





私は後、どれ位なんだ?




虚ろな瞳で見る掌には自分の吐いた鮮血。





それが自分の死をもうすぐだと伝えているようだった。





「山内!行くぞ!早く乗れ。」




船の上から土方の呼ぶ声が聞えてハッと我に返る。




急いで掌の血を懐紙で拭くと船に乗り込む。