「副長、ススムは…」


あれから凛は土方の姿が見える度しつこいくらいに山崎の事を聞く。


「だぁっ!うっせぇっ!大丈夫だっつってんだろうがっ!」


「まっまぁまぁ歳も落ち着け…な?」


怒り出した土方を近藤が必死で宥める。


「凛さん、山崎くんなら大丈夫ですよ。今し方やっと眠りました。」


痺れを切らしそうな凛のもとへ松本医師が優しい笑顔を浮かべやって来た。


「本当ですか?」


疑り深い目で松本を見つめる。

「今は、ですけどね。これから油断できません。額の傷は結構深く出血がなかなか止まりませんでした。これから三日が峠でしょうね。近藤殿できるならは明日にでも江戸へ出発したいのですが…」



近藤と松本が話しているのを凛はただぼんやりと眺めているだけだった。


「スス…ム。」