「はぁ・・・原田・・・」




緊迫した空気の中、原田の呟きで一瞬にしてその場の空気が緩んだ。




土方は呆れ気味に溜息を付く。





「錦の御旗、鎌倉時代に官軍が作った旗のことだ。錦の御旗に歯向かうと賊軍と見なされるんだ。」






凛の説明に原田が今ざらながら顔を青ざめる。





「要するに俺ら、旧幕府軍に対しての宣戦布告のようなもんだ。はぁ、誰だよ・・・こんな厄介なこと思いついた奴は・・・」







錦の御旗を思いついた人物は岩倉 具視(いわくらともみ)だった。





長州、桂 小五郎(かつらこごろう)が元・公家の岩倉卿に相談を持ちかけた。





どうすれば幕府側に勝てるか・・・と




この時、幕府側の方が朝廷よりも勢力を持っていた為、朝廷はとても貧乏だった。





そこで、朝廷側の岩倉に相談を持ちかけ、協力をして貰ったのだった。