一人京に残った凛は言う事を聞かない身体を必死で動かし外に出てみる。




龍馬はあの後、何者かに襲われこの世を去った。中岡もその翌日、龍馬を追うように亡くなったそうだ。




依岬の行方はわからない。生きているのかさえもわからない。




町は以前の様な活気が失われ静まり返っていた。





何処に行くでもなくぶらぶらしていると以前新撰組が世話になっていた八木邸に来てしまった。






「山内はん?」






ふと声を掛けられ振り向くとそこには八木邸の息子、為三郎が立っていた。あの頃に比べると背丈も伸び顔つきも随分大人っぽくなっていた。







「ここは危ないで?とりあえずこっちや。」






為三郎はそう言うと私の手を引き家の中へ引き連れていく。