紅い月

「山内、俺、倉崎 壱(くらさきいち)ってんだ。宜しくなっ」






横からいきなり声を掛けられそちらを向くとまだ少し幼さが残ったあどけない男がいた。






「・・・宜しく。」






「俺のことは壱って呼んでくれよなっ!え~と・・」





「凛でいい。」





男はなんと呼べばいいのか分からないようだったのでそれだけ言って目線を男から正面へと戻し、足を進める。





「おうっ!!凛って一体何処の道場に入ってたんだ?」





壱はそう言って又話しかけてくる。





「山内道場だ。」





私はめんどくさそうにそう答えた。







「山内って・・・」





「あぁ、家の父上が開いていた道場だ。私はそこで師範代をやっていた。」