懐かしい香りがして閉じていた瞳を開けた。





まどろみの中でとても懐かしい声を聞いた気がした。屯所にいた頃は毎日の様に聞いていたあの声、香り・・・。






しっかり覚めきっていない目を擦りこじ開けると見慣れた後姿が襖を閉めるところだった。







山崎・・・・またお前に会えるなんて思わなかった。







この布団から出て行ってお前のその背を追いかけたい。





だけどそれはできない。







あぁ、私はお前の事がこんなに好きだったんだ。今更気づいた・・・。






山崎、ありがとう・・・ごめん・・・そしてさようなら。








唇だけそう動かし涙が零れるのを無視してまた瞳を閉じた。








夢の中であなたは私にそっと優しく微笑んでくれていた・・・・・。