溢れ出る涙で凛の顔が歪んで見える。





ぐいっと涙を拭うと後ろに居る松本を見据える。





「凛を・・・凛を宜しく頼みます。」





自分が傍にいてやれたらどれだけいいだろう・・・。







だけどそれはできないから今一番近くに居る松本にそれを託す。






「あぁ、安心しなさい。」








松本はそう言うと頭を下げていた山崎の肩に手を置いた。









「それでは我々は失礼します。」






近藤と山崎は診療所を後にした。






山崎はもう一度振り返り未だ気持ちよさそうに眠る凛を視界に入れ誰にも聞えないようにそっと呟いた。







(愛しとる。今もこれからもずっと・・・さようなら・・・。)