「苦無の練習・・・?」





「はい、練習用のわら人形、的確に人間の急所を付いていた。あれを見て思ったんです。人の身体のことを知らない人間には到底真似できない技だと・・・。人の身体のことを知っていたら毒はどこから回って心の臓に届くか。何処を押さえれば出血が止まるか。どうだろう?山崎君、私の所に来て医術を身に着ける気は無いかい?これからもし戦になった時、君が居ればとても助かるのだが・・・」








「・・・ご指南、よろしくお願いします。」







「しっかりと松本医師の下で学び、私たち新撰組の仲間を助けてくれ!」





「はい!」








「それと、もう一つ、実は凛さんが今ここにいるんだ。」








松本の言葉を聞いたとき、刻(とき)が一瞬止まったかと思った。








「・・・凛が・・・?」