土方の声を合図に荷物の乗った荷車が動き出す。






住み慣れた壬生の地に別れを告げ近藤と土方もそれに続いて歩いていった。








その頃、凛は何変わりなく松本の療養所にお世話になっている。






変わったことといえば体調が此処最近はとてもいいことぐらいだ。







「凛さん、身体はどうです?」





「悪くありません。ここに来て良くなった気がします。」






凛の言葉に松本は嬉しそうに笑う。






「労咳は休養をして栄養のあるものを食べるのが一番効きますからね。」







「そうですか。」






凛はそう言うとすっと松本から視線を外し窓の外へと視線を移す。