山南が死んで暫く経った頃、新撰組は慌しく動き回っていた。





今日、住み慣れた壬生を出て西本願寺に引っ越すのだ。





「それじゃあ八木さん、今まで三年間お世話になりました。これ少ないですが・・・」






「嫌やわぁ・・・近藤はん気ぃなんか使わんで良かったんやでぇ?」





「イヤイヤ、どうぞ受け取ってください。」






「ほなら頂きます。ありがとうなぁ。またいつでも遊びに来てやぁ?」






「えぇ。それでは、本当にお世話になりました。」







近藤はそう言って会釈すると荷物を積み始めている隊士たちのもとへ走りよる。






「トシ、みんな荷物を積み終わったか?」





「あぁ、これで最後だ。そろそろ出発するか。」