「っ・・・解りました。西本願寺に移りましょう。」







山南は一瞬顔を歪めるとそう言って部屋を出て行ってしまった。





この頃の山南は何だかおかしい。





昔はよく笑っていてとても優しかった。





しかし最近はまったく笑わずとても冷めた瞳をしていた。






そんな山南に平隊士たちは怖がって近付く事をしなくなった。






山南がこんな風になったのは明らかに伊東が新撰組に入ってからだ。それもそうだろうついこの間入ってきた男が急に山南より上の地位の『参謀』になったのだ。今となっては山南に頼ってきた隊士たちはみんな伊東のほうへ着いてしまい山南は屯所に居づらくなりつつあるのだ。