「何だってっ!?」





その頃、新撰組内に暗雲が立ち込めていた。





総長の山南敬介が江戸に行くと書いた置手紙一枚を残し、新撰組を脱走したのだ。





この頃、土方と山南は度々衝突していた。






衝突の理由は屯所の移転だった。





九月に近藤が江戸で隊士を募集した事により今の屯所・・・壬生の八木邸と前川邸では手狭になってきた。そこで土方は屯所を西本願寺に移す事を提案した。






西本願寺にはよく長州の者が出入りしていると言う噂が流れていた。




そこで新撰組がそこに屯所を設けると長人たちの隠れ場が一つ減り捕縛がし易くなる。また、西本願寺に移ると市中見廻りも幾らかし易くなり新撰組にとっては大きな利点がある。




その土方の意見に幹部は皆賛成をしたがただ一人だけ反対をした人物がいた。それが総長の山南だ。





確かに新撰組には大きな利点ばかりだが、西本願寺は京の由緒ある寺の一つだ。そんな所で殺生はよくない。




山南はそう言って反対をした。