「さぁ、そこに座って。」





言われるがまま診療所に連れて来られ、何故か診察が始まってしまった。





「はい、大きく息を吸って・・・とめて。はい、吐いて。」





仕方が無いので言われた通りにする事にした。




「・・・。」





松本医師の表情が険しくなる。





「もう、長くないのでしょう?自分でも肺の雑音が聞き取れる。もってどれ位ですか?」






「・・・まだよくわからないがもって後、一、二年と言うところだ。山内くん、一体どうして新撰組から抜けたんだい?」







「・・・この病は人に移る。そんな事私には耐えられない。」







「でも!近藤さんや土方くんはそんな事・・・」





「もう、戦う事に疲れてしまったんです。丁度潮時だったんですよ。女が刀を持って武士の真似事をするなど・・・それにもう家族の仇はとりました。だから・・・」