その後男は私を部屋に連れて来るとまたどこかに行こうとしたが一度足を止め肩越しにこちらを見て口を開いた。



「布団はそこに入っているさかい。俺は夜は帰る事はあまりないさかい部屋は好きに使こうてかまわん。」



「あぁ、すまぬな……えっと……」


「山崎や、山崎 丞(さまざきすすむ)」



「あぁ、山崎ありがとうな。」



私がそう言うと山崎は前をむき部屋を出て行った。