それは凛の本心だった。



身寄りのない凛を置いてくれて、病に犯されていたと知っても自分の娘として迎えてくれた近藤。




何だかんだ言っても最後には助けてくれた土方。




病に犯され、自分にも移るかもしれないと解っていたにも関わらず甲斐甲斐しく世話をしてくれ、いっつも助けれくれたススム。




いつも優しくしてくれた新撰組のみんな。





そんな人たちにこれ以上の迷惑は掛けたくない。




「そんなっ!!迷惑だなんて誰も思っちゃいねぇよっ!!」





藤堂はそう言うとずぶ濡れの凛の肩を掴みガクガクと揺さぶる。





「ごめん・・・藤堂・・・どうしても戻れない・・・。ありがとう・・・。」





凛はそう言うと力なく微笑む。




その顔はとても切なげで藤堂はこれ以上凛を追い詰める事ができなくなった。




そっと肩から手を離すと凛はまたゆっくりと雨に打たれながら何処かへ歩いていってしまった。